露光フィルム(マスクフィルム・マスキングフィルム)

サンドブラスト事業をするにあたり、機材と並んで重要なのが「露光フィルム」です。
古くは、石材屋さんが使用するゴムシートや、教室などで使われるカッティングシートが この役割を果たしておりましたが、紫外線硬化樹脂フィルムの登場により、主流は 変化致しました。

特に、「記念品製作」「ギフト製作」など、オリジナル商品の販売を目的とした ご商売をされるにあたっては、必須の部材であり、それぞれのお仕事によって 適したフィルムというものがございます。

フィルム選びのポイントは、
  • コスト(ロスや副資材も含めて)
  • 精度
  • 強度
  • 作業効率

数あるフィルムを種類別に分けると、下記のように大別されます。

  • アルカリ現像型フィルム
  • 水現像型フィルム
  • 現像不要フィルム

「どのフィルムが一番良いのか?」

よく聞かれるご質問ですが、全てのフィルムに「長所・短所」があり、どれが一番と
いう事は言えません。 「これが一番です!」と言えるフィルムがあれば、皆様そのフィルムを使いますし、
私どもも、そのフィルムだけの取り扱いをお勧め致します。

ご自身のお仕事に最も適したフィルムを見つけ、2~3種を上手く使い分けることが
ベストな選択と言えますので、ご相談頂ければと思います。

*価格に関しては、単純に「フィルム自体」の価格だけなく、接着剤や現像剤などの副資材も含めて算出しております。
*購入ロットによっても大きく変動致します。
(例えば「MSフィルム」と「オーディルフィルム」の一般的な小売価格を比べると、同じ10m巻きだと「MSフィルム」が 断然安価ですが、「MSフィルム5m巻き」と「オーディルフィルム30m巻き」で算出すると、ほぼ同じ面積単価となります)

実際のお仕事と照らし合わせ、考えてみましょう。

(例1)

本業として、記念品彫刻をメインとしている。
取り扱いは、徽章系など精細なデザインが多く、フィルム消費量は月に数十メートル。
スポットで深彫りの注文も受ける。
→<推奨フィルム>MS50がメイン、ウルトラプロ・ブルーの併用

(例2)

酒販店、ボトル彫刻がメイン、基本的にはデザイン彫刻が多いが、稀に写真彫刻も。
フィルム消費量は月に20メートルほど。
→<推奨フィルム>MS100かウルトラプロブルーがメイン、写真彫刻のみラピッドマスクHD

(例3)

勤めをしながら副業程度、仕事内容は細かめのデザイン彫刻が多い。
フィルム消費量は月に2メートルほど。
→<推奨フィルム>イメージプロ・レッド

(例4)

勤めをしながら副業程度、写真彫刻から深彫りまで色々な彫刻をする。
フィルム消費量は月に5メートルほど。 →<推奨フィルム>ウルトラプロブルーとラピッドマスクHDの併用

各工房様の作業環境・仕事内容により、様々な組み合わせが考えられますので、是非お気軽に ご相談下さいませ。最適なご提案をさせて頂きます。

研磨材(メディア)

露光フィルムと同じく、消耗品として経費のかかるのが「研磨材」です。

研磨材には様々な種類のものがありますが、現在プロとしてご活躍中の方はほぼ100% WA(ホワイトアルミナ)ごご使用されております。

強度に優れ、熱を発せず、何よりも彫刻対象を汚さないため、ガラスの彫刻にはWAが 必須と言えます。

そして、選び方を迷うポイントとして、「番手」があります。

サンドペーパーなどを想像して頂ければわかりやすいですが、粗いものと細かいものがあるように、 研磨材にも粒の大きさに種類があります。

番手の数字の小さい研磨材は切削力に優れている半面、仕上がりは粗くなります。
逆に番手の数字の大きい研磨材は、彫れるスピードは遅いですが、滑らかに仕上がります。

また、集塵機の性能にもよりますが、細かい砂は大きい砂と比べ消耗が早いです。

ブラスターを複数台お持ちの工房様は、ブラスターによって番手を分けていることも多いですが、
大抵の場合は1台のブラスターで作業をしますので、上記を踏まえ、最も適した番手を選ぶ必要があります。

実際のお仕事と照らし合わせ、考えてみましょう。

(例1)

グラス専門でしているので、深く彫る事は少ない。
→<推奨番手> #150~#180

(例2)

フォトエッチングや細かいデザインがメイン、粗いデザインは少ない。
→<推奨番手> #150~#180

(例3)

仕事内容は様々、仕上がりもスピードもバランスよく大事にしたい。
→<推奨番手> #120~#150

(例4)

酒販店、ボトル彫刻がメイン、とにかく数をこなさないといけないのでスピード重視。
→<推奨番手> #100

(ご参考に)

現在、弊社からご購入頂いている工房様では、需要の多い方から
#120 → #100 → #180 → #150 の順です。

メーカーや産地について

国内で販売されているほぼ全ての研磨材は、

  • 日本のメーカーが海外で製造している物
  • 海外のメーカーが販売している製品を輸入している物
に分けられます。

弊社取り扱いの研磨材は、どちらも前者に属します。(ISO-F粒度適合品)

後者の中には、粒度にばらつきのある物や強度に欠ける物など、粗悪な物も多いので
安いからと言って購入すると、消耗が早く逆に経費がかかってしまうなどということもあります。
信頼できるメーカーの研磨材をご使用になる事をお勧め致します。

*フィルムや研磨材につきまして、もっと詳しくお知りになりたい方は、どうぞお気軽に お問い合わせ下さいませ。